研究内容

人工関節の摩擦・摩耗・潤滑

関節シミュレータおよび多方向滑り試験機を含む各種の摩擦・摩耗試験機を用いて,生体模擬環境における人工関節材料の摩擦・摩耗特性評価およびその摩耗機構の解明を進めています.人工関節材料である超高分子量ポリエチレンやセラミックス,耐食性金属のトライボ性能評価に加え,人工関節軟骨候補材料として,高含水性ハイドロゲル人工軟骨の開発と評価を行っています.




[膝関節シミュレータ]
ヒト膝運動を再現し,人工膝関節の
摩擦・摩耗試験を行う.

[表面吸着膜の解析]
人工関節・人工軟骨材料表面の吸着膜構造を解析し
摩擦・摩耗挙動に対する影響を調査する.


生体関節の力学挙動および潤滑機構の解明

生体関節・関節軟骨・軟骨細胞などの構造・機能と機械的特性の関連をナノ・マイクロ・マクロの多階層の視点から明らかにするとともに,細胞の応答を評価しています.そして,これらの生体組織における構造形成・機能発現や損傷発生・修復の機構を解明し,医療技術への応用を目指しています.また,関節の優れた潤滑機構の解明のため,各種摩擦・力学試験を通し,関節軟骨表面の構造評価や表面膜形成機構の解明を進めています.




[軟骨組織の顕微鏡可視化力学試験]
共焦点レーザー顕微鏡可視化の元で 軟骨組織の
力学試験を行い,組織の挙動を解析する.

[軟骨組織の階層的構造]
軟骨の階層的構造や表面膜の解析を通し,
関節の潤滑機構を解明する.


再生組織形成におよぼす力学的因子の解明

軟骨組織から単離した軟骨細胞を,繰り返し圧縮変形や繰り返しせん断変形等の力学的負荷を加えながら三次元培養を行い,再生軟骨組織の生化学的・形態学的および機械的評価を行っています.そして,培養中に加えられた力学刺激が細胞代謝による細胞外マトリックスの産生および組織構造の形成におよぼす影響を明らかにし,得られた知見の再生医療への応用として,力学刺激を利用した機能的再生組織形成技術の確立を目指しています.




[力学負荷下における軟骨細胞の培養]
力学刺激環境下において単離軟骨細胞を
3次元培養し,コラーゲン等内部組織の
産生と構造を解析する.



生体筋骨格構成の解析と医療福祉分野への応用

ヒト上肢の構造,運動特性を明らかにし,これに基づいたロボット要素技術および福祉機器の開発目指しています.現在は,脳卒中リハビリテーションのための肩甲骨-体幹を駆動可能なロボット装具,脳波による感性推定システム,超軽量車いすなどの開発を行っています.




[リハビリ支援ロボット装具の開発]
上肢の運動に追従可能な肩甲骨‐体幹系ロボット装具を開発し,
脳卒中リハビリテーション機器への応用を目指す.



2010年度修士・卒業論文テーマ例

●超高分子量ポリエチレンの摩耗に対する潤滑液中の蛋白質の影響


●人工関節軟骨材料の摩擦・摩耗特性の評価


●蛋白質吸着膜の摩擦に与える二次構造の影響


●運動姿勢が人工膝関節動態に及ぼす影響とその評価


●培養軟骨細胞による機能的再生軟骨組織形成に関する研究


●関節軟骨の圧縮試験および固液二相性理論による有限要素解析


●水素雰囲気におけるシール用樹脂材料の摩擦摩耗特性


●植物油及び酸化防止剤添加油の高面圧下におけるトライボ特性の評価


●軽量高機能福祉機器の開発・実用化研究